2012年11月16日金曜日

中国経済のこれから

 今日から習総書記体制が発足し、これから10年の指導体制が始まる。
 これまでの20年は、鄧小平の経済開放から始まり、年率9%を超える
高度経済成長が続いた。
 沿岸部では、外資企業との合弁事業で、輸出と技術習得を進め、
地方の余剰な労働力を吸収し、経済発展をもたらした。
 今では豊富な労働力と技術を武器に、世界的な競争力を持つ企業がある。
 16年前に訪れた青島の海爾(Haier)は、当時から勢いがあったし、今では
白物家電では世界一の売り上げである。
 日本に進出した際は、ホームセンターや量販店を中心に、単身者向けの商品や
冷凍室だけのシンプルな冷凍庫等、比較的安い家電から売り出した。
 信頼性向上のために、コンプレッサーやモーター等はLG製が使われていて、
青島工場で生産され輸出されていた。
 価格だけではなく、市場に合わせて製品を投入できるのが強みだろう。
 農村部では、いもが洗える洗濯機が人気らしい。

 中国の大企業は、民間企業から成長した企業と、国営・公営企業から成長した会社に分かれる。
 国営企業の収益部門が、香港籍や外国籍の会社に事業を移して、香港や
外国の株式市場に上場する例がある。
 しかし、流通している株式は2~4割程度で、大半は政府や地方政府が議決権を
保持しているのが、殆どである。
 WTOに加入する前は、中国に進出する際には、中国側と合弁企業を設立しなければ、
会社が設立出来なかったし、撤退する際も、従業員に退職金を用意できないと、
地方政府が撤退を認めない事例がある。
 これまで、世界の工場として一大生産地の役割を果たしてきたが、沿岸部の賃金上昇
一人っ子政策に伴う少子化、内陸部の開発に伴い、出稼ぎ労働力不足。
 所得向上に伴い、生産から市場に変貌しつつある中、若者の雇用確保と賃金上昇
 中国を輸出拠点にしていた企業のリスク分散や流出が始まっている。

 また、これまで不動産投資による開発一辺倒のからの脱却が迫られている。
 GDP成長の6割が、投資による経済成長で占められている。
 先進国のように、所得水準が低いため、消費による割合は低い。
 日本でもあるが、地方政府による不動産開発投資が120兆円と、かなり高水準。
 海外からの投資が少なくなる中、政府が過剰投資を抑えて、不良債権処理を進めるか、
情報が開示されていない中、推移に注目してみたい。

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