2013年10月11日金曜日

大量輸送時代の終焉

 航空機の話である。
 急速に迫り来るジャンボジェット時代の終焉 (FT)
 日本航空がエアバスA350を31機発注した事を取り上げている。
 日本航空はかつてはB747の最大保有しており、主に長距離国際線と国内幹線で運行していた。
 理由は、拠点空港(成田・羽田)の発着枠が少なく、急増する航空需要に対応する必要性があった。
 80年~90年頃は、需要も旺盛にあり、燃料費も安かったので、大量輸送戦略は当たっていた。
 節目が変わってきたのは、2001年以降 燃料費の高騰と旅客需要の低下だった。
 需要が停滞する中、大型機材に乗客を埋めるため、運賃の低下と燃料費の高止まりが、長年営業赤字に陥った要因である。

 環境が変化していく中、AIRBUSはA380 大型の航空機を開発。Boingは複合素材を活用した、B787 中型航空機を開発していった。
 結果的には、航空燃料が高い現状では、燃費効率の高い航空機が好まれるようになる。
 元々エアバスが得意な分野ではあったが、炭素繊維を中心とした複合素材による革新性が評価された。
 リチウムイオン電池の発熱問題が無ければ、最も成功した商業旅客機になっただろう。

 現在主力のB777も、2020年頃には経年化しており、機材更新の必要性が高い。
 BoingもB777の更新機種を開発中ではあるが、B787の問題解決に当たっていた事もあり、開発が遅れている。
 A350は初号機はすでに初飛行を行っており、実用化に目処が立っているのが、導入に大きな決め手であろう。
 乗客500名乗りの大型機は、大陸間の拠点空港を結ぶのには最適ではあるが、300名程度の中型機で大陸間運行が可能な現在、大型機で1日1便結ぶより、中型機で1日2便運行した方が、利便性が高く経済的。
 ロンドン・ヒースロー 上海・浦東 成田のような混雑空港で無ければ、中型機で十分に輸送できる。
 羽田空港のように、滑走路の増設により発着枠が増加しているのも、燃費の良い中型機の導入を促している。
 航空機の機材選択は、実質150名程度の小型機と300名程度の中型機に集約されて来ている。

 LCCの急速な発展で、以前に比べて空の旅は手軽な存在になっている。
 円安の進行も、海外からの乗客が増えている要因になっている。
 その反面、かつての航空会社がイメージしていた、特別な存在では無いのかも知れない。
 大衆化と画一的な機内
 乗客も旅の楽しみ方を見直す時が、来ているのかも知れない。

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