2013年10月10日木曜日

プラズマディスプレイ 終焉

 Panasonicが唯一生産していた、プラズマディスプレイ事業から撤退を発表した。
 これまでパイオニア 日立 富士通が生産していたが、プラズマディスプレイが完全に生産終了となる。
 思えば17年前に、富士通の株主総会に出席した際、試作品で展示されていたのを思い出した。
 その時は、液晶より反応速度が速く、大画面化に適していると説明を受けた。
 数年後に発売されているが、価格がとてつもなく高かった。

 その後他社にライセンス供与を行い、価格は徐々に安くなっている。
 プラズマにとって想定外だったのは、液晶生産設備の急速な発展だった。
 プラズマは、化学ガスを注入して、蛍光灯のように発光させるので、割と単純な構造。
 対して液晶の場合は、半導体素子を制作するような透明電極を作るので、細微な構造とれやすい
ガラス基板を搬送する技術が課題だった。
 半導体露光装置の細微加工化と、ガラス基板の素材が大型液晶に適する様になり、いつの間にか液晶ディスプレイの汎用化が進むようになった。
 汎用化のきっかけになったのは、PC用ディスプレイの規格化ではある。
 今では、韓国や台湾・中國メーカーまで、供給過剰ともいわれている。

 基本的には、設備投資と原価償却期間が短くなってきており、高度な製造装置が競争力を決めてしまう。
 かつてのプラズマ工場は、今では太陽電池工場に生まれ変わっている。
 尼崎の巨大工場が、今後どの様に生まれ変わるか、日本の産業構造の変異を示す事になる。

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